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■その他の相談


1「伸びた兵児帯」
 患者:兵児帯(総絞り)
 保護者:50代会社員男性

症状:「総ヘコ」と言うらしいのですが、全体に絞りの入った自慢の兵児帯が、年月を経て所々伸び切ったようになって形が崩れてきています。元に戻すことはできないものでしょうか。

残念ながら鹿の子を部分的に絞り直すということは出来ません。
手のし屋さんで蒸気をあててもらえば多少は縮んでくれると思いますが、新品のような粒の立った鹿の子は期待できません。訪問着などに使われる大きめの絞りは直すことができますし、普通の染めの柄にあとから絞りを入れて嵩をもたせる空絞りという手法もあります。


2「仕立て屋の失敗」
 患者:訪問着
 保護者:呉服店店主

症状:納品前の着物です。仕立て屋さんが肩開きを間違えて袖付け側を切ってしまいました。高価なものなので弁償させるのは気の毒です。といってこのままお客さんに納めるわけにもいきません。事情を話した上で、なんとか補修プラス値引きで解決したいと思っていますが、上手に直すにはどうしたらよいでしょうか。

まずカケツギをします。故障部分が大きいので、裏から別布を当てて、縫い目が見えない様、極々微細な糸で縫い付けていきます。
しかしそれだけでは筋状の切れ目まで隠し切れませんので、平行した金線を霞み柄のように何本か入れてこれを隠しました。

キズカケ痕に柄を描いてくれというのはよくある依頼ですが、傷という物理的な現象を色で隠すことはできません。できれば四角く縫わずに葉っぱや花など、中にある柄の形をとってもらえれば、縫い目と柄の輪郭を重ねることでうまくごまかすことができます。


3「ガード加工してあるのに」
 患者:紋付(喪服)
 保護者:40代内職

症状:呉服店の売り出しで喪服セットが安かったので、あとで仕立てるつもりで生地だけ買っておきました。生地には「○○ガード加工済み」というシールが貼ってあったので、そのまま付属品のバッグと共に押入れにしまっておいたのですが、先日仕立てるつもりで出してみたらカビだらけになっていました。ガード済みというのは偽りだったのでしょうか。

ガード加工というのは撥水加工であることがほとんどです。
つまり食べこぼしなど水性の汚れははじいてくれますが、カビなどに対するガードの効果はありません。ガードがかかっておればタンスにしまいっぱなしでも大丈夫と思っている消費者も多いですが、他の様々な事故を防ぐためにもやはり虫干しは必要です。なかには防カビ効果を謳っているガード加工もありますが、カビという生物を殺す薬剤が使われているわけで、皮膚への影響が懸念されます


4「輸入物の白生地」
 患者:中国産白生地
 保護者:50代主婦

症状:馴染みの呉服店の息子さんが新社長として就任され、内祝いにと白生地を贈ってくださいました。そのときは「正直あまり良い生地ではないので、小紋にでも染めてください」と言って置いていかれましたが、小紋はあまり着る機会がなさそうなので、色無地にでも染めてもらおうかと思います。別に問題ありませんか。

あまりお勧めできません。無地染めは生地の良し悪しが非常に出易く、染め代が安いからといって、安い生地を使ってはいけません。
全体にムラついたようになったり、ひどいものになると糸の質が途中で変わったとみえて、ある部分から色が違って染め上がることがあります。その点小紋は生地の難がわかりにくく、安い生地や不抜け(脱色したが元の柄が残ってしまったもの)に向きます。

先に生地を配ってあとから小紋に染めさせるのは、企画ものとして一時流行した手法です。
染め代で生地代を取りかえす作戦ですが、中には染めに出さず手元に置いてしまうお客さんもあり、呉服店側も損は覚悟しなければなりません。本件のようにお祝ごとででもないと、商売としてはなかなか成り立ちません。



着物用語解説、参考WEBサイトの情報を提供しています。
ご利用ください。

関連用語解説

総ヘコ
鹿の子
袖付け
カケツギ
キズカケ
色無地


着物ことば辞典
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