ヤケ具合によります。軽微なものならハキ合わせで直ります。 刷毛やエアブラシで故障部分だけに色を乗せていくわけです。仕立てを解く必要ないので、お手軽です。
ハキ合わせで治せないものは…
・濃い地色だったものが、白っぽく思うほどに変色してしまっているもの。 ハキ合わせはきちんとした手順を踏んだ「染色」ではないので、あまり濃い色は乗せられません。摩擦による色落ちなど、別な事故を起こしてしまいます。
・藤色の地色が黄っぽく変色しているもの。 紫と黄は、混ぜると黒になります。染色はペンキのように「塗りつぶす」ものではなく、透明水彩絵具のように「色を重ねる」ものですから、キレイな紫を重ねても黄の影響を受けてくすんでしまいます。
・あざやかな地色がくすんでしまったもの。 理由は前述に同じ。鮮やかな色をくすませることはできても、くすんだ色を鮮やかにすることはできません。
ハキ合わせで治せないものは染め替えをすることで解決をめざしますが、元の色にはなりません。元色と同じ色をかけても、それは色を重ねることにるので、必ず濃くなります。「濃くするな」という指示は「染めるな」という指示に等しいです。
よく「濃くしたくない」という声を聞きます。「濃い」=「地味、年配向け」というイメージを持たれるのでしょうか。 濃く鮮やかな色、若さのある濃さという色がありますから、そういった色目を上手に選ぶべきです。単純にに「濃さ」に執着すると、ヤケが治りません。
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