雨も昨今は粉塵だけでなく、化学物質や酸性雨などあり、中々に厄介なものですが、 夏物は雨よりも汗が心配です。 汗汚れは皮脂やら蛋白、塩気などを含みますので、 放置すると黄色から茶色に変色してきます。 シーズン最後には適切な処置が必要です。 補正士さんに汗抜きをしてもらう。 またはクリーニング店で水性ドライで洗ってもらう、 というのが一般的ですが、 自宅で洗う場合、シワに気をつけてください。 濡れて折れた癖をつけてしまうと取れません。 乾燥時もなるべく脱水機は使わず、そのままダラ干しにしたほうがいいです。
それと刺繍や金加工などの後加工があれば要注意です。 刺繍糸は染着が甘いので、濡らすと色泣きするものがあります。 金加工も最近のものは樹脂系のバインダー(つまり接着剤)を使ってますが、 そういうものが開発される以前の金糊の中には、水溶性のものがあって、 洗うと落ちるものがあります。
衿にアイロンをかけるのは別に問題ないですが、そのかけかたですね。 力任せにグリグリ押さえつけてもシワは伸びません。 適度な湿気と熱を与えることを旨としてください。
絹の着物を濡らしたときは、自分で触ろうとせず補正士さんに処置してもらってください。
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