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着物なんでも相談′ウ記事内容-

【648】 プレスされた絞りの浴衣

 

[お名前] 涙子

[書込み時間] 2011/11/23/(Wed) 00:12 

絞りの浴衣のクリーニングを呉服屋さんにお願いしたら、プレス+のりづけされて戻ってきました。
プレス不可・のりづけ不可・染めなので注意して、と注文したのにもかかわらず…
浴衣は受けとっていません。
買ったばかりの1回しか着てないシボもしっかりあり、ふんわりしていました。
今は固くてぺったんこです。
呉服屋さんからは謝罪がなく、外注に出した業者におしつけ、弁償の話もしてくれません。
独自に同じものを探しましたが、製造元にも購入元にも通信販売でも見つかりませんでした。
直径2〜3cm位の丸い絞りが水玉状に散らばっているもので、浴衣全体の約半分くらいの面積が絞りになっています。
「絞り直し」を請け負っている悉皆屋さんに浴衣をまわして、呉服屋に弁償させたいのですが、そもそも技術的に可能なのでしょうか?

絞りの浴衣は自宅でも洗えることは承知しています。
ただ新しかったこと、来年まで着ないことから周囲に強く勧められて発注しました。



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【648-1】 悉皆屋主人からの回答

 

えー!それはひどい。ひどすぎる。なにもかもが。

一般企業なら、会社の失態でも電話を受けた者が先ず謝罪というのは当たり前。
呉服屋もそりゃ自分が洗ったんじゃないでしょうが、謝罪がないというのは社会人としてなってないですね。
本来なら涙子さんと一緒になって業者と交渉に当たらねばならんものを。
誠意のないこと甚だしい。

直接業者と補償交渉するから連絡先を教えろと言ってみてください。
当然業者のほうは嫌がるはずです。その呉服店に対し「補償はするが応対はそっちでやってくれ」と言ってくることになると思います。
そうなると呉服店も知らん顔はしてられなくなるでしょう。

もし、業者の連絡先を言い渋るようなら、それは業者の正体も怪しいですね。
一般のクリーニング店に出したのかもしれません。
そっちのほうが安いですから。
呉服を専門に扱ってる業者なら絞りをぺったんこにするような真似はしないはずです。
それならそれでやっぱり呉服店は動かざるを得ないです。

修復については、自分でさわらずに呉服店側にやらせたほうがいいのですが、そのような態度の店が、どこまで丁寧にやってくれるか知れたものではありません。
代品を請求するのが一番スッキリすると思います。
同柄がなくても辛抱しましょうよ。
中途半端な直し方をされて、それでも結局引き取らなくてはならなくなるもの気分悪いし、袖を通す気にならなくなるんじゃありませんか。

最後に技術的な問題ですね。
我々絹製品のことしかわかりません。綿はまた性質が違いますから、絹と扱いの違う部分があります。
その点不勉強でしっかりお答えすることができません。
以下絹の話しを参考までに。

一旦仕立てをほどいて、絞り直し、蒸しをかければ絞りは再びシボができます。
そこまでしなくても、アイロンの浮かしがけで強い蒸気をあてれば絞りが戻るものです。
しかし糊付までしてしまった綿製品の絞りが、スチームぐらいで戻るのか、そこまでは存じません。
戻るにしても一旦糊は落とさないといけないでしょうねえ。
その呉服店はおそらくそういう方法で対処しようとすると思います。


【647】 有難うございました!

 

[お名前] 着物初心者

[書込み時間] 2011/11/18/(Fri) 01:48 

早速のご回答、有難うございます!
やはり糊が落ちたのではないんですね・・。
おかしいと思ったんです。
糊が落ちただけで、こんなに黒光りするのか?!と。
焦げた様な、少し緑がかった黒になっていました。
見たときは、ビックリして信じられず、思わず手が震えました・・。
クリーニング屋さんは何も言わずにしれっと渡してきたので、さらにショックです。
普通、そういう状態になったら報告とかあると思っていたので・・・。
クリーニングは一流と言われている業者さんでも、着物は出すべきではないと、猛省しています。
「最後に着たのはいつですか?」
などと詳しく聞かれ、あくまでもクリーニングの過程に問題があったのでは無いと主張されてる感じでした・・・。
「金加工トラブル」の実例拝見致しました。
とても勉強になりました。
有難うございます!
また、保管方法の注意も有難うございます。
家では和紙を金彩部分にのせていました。(買ったお店で言われたので)

着物は本当にデリケートな物。
修繕から戻ってきたら、今まで以上に大切にしていきたいと思います。
本当にありがとうございました!



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【647-1】 悉皆屋主人からの回答

 

「金加工トラブル」自分でも読み返しました。
その後新たに情報を得まして、タック(粘着性)をもった金加工の保管にはクッキングシートがよいと知りました。「〜ペーパー」じゃなくて「〜シート」の方ね。テフロン加工がしてあって、焦げ付き、こびり付き防止に使うやつです。タックを寄せ付けず、通気性があり、熱にも強くアイロンがけも平気です。しかも入手しやすい。
更新しとかないといけませんね。


【646】 クリーニングに出したら

 

[お名前] 着物初心者

[書込み時間] 2011/11/17/(Thu) 00:25 

初めて相談させて頂きます。
先日初めて訪問着を某有名クリーニング店に出したら、金箔の部分が全て見事に真っ黒になって帰ってきてしまいました。
今思うと、きちんと着物専門の業者さんに頼めばと後悔しています。
クリーニング屋さん曰く、「糊が落ちてしまったようで・・」と、さも着物の仕立てが悪かったように言われてしまいました。ちなみに、買ったのは某一流デパートの呉服売り場で、京友禅の老舗の品で、物は悪いとは思えないのですが。
現在、染め元さんに修復をお願いしているとの事なのですが、本当にショックです。
こんな事ってあるのでしょうか。
また、今後どのような事に注意すべきかお教え頂ければ幸いです。
宜しくお願いいたします。



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【646-1】 悉皆屋主人からの回答

 

それはガッカリですね。心中お察し申し上げます。
糊が落ちて黒くなることはありません。
銀が硫黄やその他の化合物と反応して黒い硫化銀になったのだと思います。

金属は生地に染め付けることが出来ませんから、金糊(接着剤)でくっ付けるわけですね。
大きく二通り方法があって、
・金を置きたい部分に糊を敷いておいて箔を貼り付ける。
・金糊に金粉をまぜてペースト状にしたものを使う

さて、金糊も時代とともに進化してきまして、昔は水溶性の糊だったので、洗い張りをすると金が剥がれ落ちてしまいました。最近は合成樹脂のいいものができましたので、洗い張りでもクリーニングでも落ちませんが、場合により箔が剥がれることがあります(脇道にそれすぎるので詳説は避けます)。そうすると、オレンジ色の金糊が露出するので、オレンジに変色したように見えます。いずれにしても黒くなることはないので、「糊が落ちた」というのは違いますね。

金彩に用いられる材料は、金に見えても純金を使うわけではありません。真鍮であったり、銀やアルミニウムを黄色く着色して金色にしているものを使います。真鍮は酸化して緑青という青い錆を発生します。アルミニウムは酸化すると金属光沢がなくなって透明になることがあります。
銀は申しましたように硫黄などと反応して、赤〜青を経て黒くなります。

保管中にゴムやウール製品(どちらも腰紐によくあるんですよ)など硫黄分を含むものと一緒にしていて変色した例があります。消費者として留意すべきはそれぐらいですね。クリーニングしただけで黒くなったケースは初めてです。クリーニングの現場を存じませんので、どういった状況だったのかわかりませんが、何か強い硫黄分と接触する場があったのでしょうか。ちょっと想像できません。私が着物初心者さんの立場だったら、そこ踏み込んで聞いてみるところです。

左メニューの「着物トラブル対処法」にも金加工ドラブルの実例をあげてますので、ご覧になって下さい。


【645】 とても参考になりました

 

[お名前] 吉澤 真弓

[書込み時間] 2011/11/09/(Wed) 17:55 

早速ご回答を頂き、本当に有難う御座いました。これからも色々と分らない事があると思いますので、また母の代わりとなって下さいね。宜しくお願い致します。



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【645-1】 悉皆屋主人からの回答

 

身近に相談相手のいらっしゃらない方のお力になれることを何よりの励みにしております。何なりとご遠慮なくご相談なさってください。


【644】 色留袖の比翼仕立てについて

 

[お名前] 吉澤 真弓

[書込み時間] 2011/11/08/(Tue) 18:19 

嫁入りの時に持ってきた色留袖なのですが、私も若く、妹達もいたせいか、比翼仕立てになっておらず、若かい頃は伊達衿をつけて華やかに着ていました。でも最近は,伯母としての立場なので、比翼を付けたいのですが、伊達衿タイプのはないのですか。他界した母が何故比翼仕立てにしなかったのかも、今となっては・・・どうぞお教え下さい。



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【644-1】 悉皆屋主人からの回答

 

 伊達衿はあるとかないとかじゃなくて、下着地(比翼の生地)と衿を用意して、和裁士さんにそう依頼されればいいだけのことですが、伊達衿は縫いつけてしまわず、自由に付け外しできるようなものにしておかれた方がよいのではないでしょうか。着て行く場所と立場によっては邪魔になります。そもそも比翼仕立てと伊達衿というものが、格として釣合いません。

 比翼仕立てになさらなかったのは、伊達衿を付けてお召しになっていたということと抱き合わせて考えるに、ワンランク上の訪問着という位置づけで考えておられたのだと思います。色留袖はその位置づけが曖昧です。叙勲や園遊会などの場では五つ紋付で既婚女性第一の礼装とされていますが、婚礼では黒留袖に次ぐ第二の礼装という扱いです。訪問着よりは格のある装いをさせたい。しかし色留袖を普通に着たのでは華がない。昨今のテーブル席の婚礼では、胸元に柄のない留袖は華やかさの点でどうしても訪問着に負けます。そこを補うように伊達衿をお付けになったのではないでしょうか。

 比翼仕立てにすると、第一、第二礼装の留袖としての性格が固定されてしまって、訪問着よりややフォーマルという着方がしづらくなります。一番汎用性が高いのは、下着も伊達衿も色留袖本体と別々に用意することですね。吉澤さんが今後どのような場での着用を想定しておられるのか。そこをよく考えてお決めになったらいいと思います。






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