そうですか、洗い張りを勧められましたか。 金属は洗い張りをしてもきれいになりませんけどねえ。 洗い張りは、平たく言うと石鹸水のようなもので洗うのですよ。 石鹸水で古い包丁が新品みたいにピカピカにはならないでしょう。 値段も高そうなので、私たちの知らない別な技術なのかも知れません。 私の勉強不足かも知れませんのでうっかりしたことは申せません。
仕立てのまま金加工を直すことはよくやります。 元の加工がどういう加工で、現状がどういう状態なのか分からないと安請け合いはできませんが、 直すといっても、元の状態に復元するのではなく、上から同じように加工を入れ直す方法をとります。 型を使ったものは、同じ型がまずないのと、もしあったとしても、正確に重ねることができないので、何か別の方法をとります。 金吹雪(飛沫状の粒々の金)が黒ずんでいる場合、吹雪を入れ直しても、これも正確に元の吹雪の上に乗ってくれるわけはないので、 新しく入れた吹雪の隙間から黒い金が覗きます。 これも何か他の方法を工夫しないといけません。
加工法によって部分的にほどくことがありますが、大抵のことは仕立てたまま加工できます。
何をどうするかは、申しましたように、現物を見ないと判断できません。 我々の仕事は医者の仕事に似ています。 電話で「お腹が痛いですが治りますか」と聞いても答えてくれないでしょう。 まずは診断です。 上記メニュー「越村染工場について」にメールアドレスを掲載していますので、画像を送って頂ければ、もう少し踏み込んだお話ができると思います。
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