蒸し
むし
濡蒸し、空蒸し、しめり
手描きや型染で印捺された染料や色糊は、そのままの状態では未染着であるため、水蒸気をあてて染着(染料を発色させると同時に生地に定着させる)させること。 扱染のように捺染布を乾燥させずに直ちに飾和蒸気で蒸熱する濡蒸(ぬれむし)と、無地染などのように糊分の少ない捺染布を一旦乾燥させて水分の少ない蒸気をあてる空蒸、型友禅などで模様部に糊が多く地色は引染で印捺されたものなどは、一旦捺染布を乾燥させ、蒸熱の前に含水性の挽粉でしめりけを与えて蒸すしめり(挽粉しめり)などの方法がある。
捺染糊による染着には、85゜〜95℃で15〜40分が必要。 染着温度が高くなると染着速度は高くなるが、95℃以上では糊中の染料が一部溶け出すことがある。また急激な温度上昇は捺染布中の空気を急速に膨張させ、糊層を剥離させる。