腰板

こしいた

 

袴の後腰に当たる台形の部分。

 明応〜文亀(1492〜1503)当時の武家の公服であった肩衣袴に台形の腰板が取り入れられた。肩衣袴が礼服化し、江戸時代になるとさらに普及し、馬乗袴・野袴・裾細・軽衫にまで取り入れられる。

 古くは薄板を共地で包み紐は腰板に続けて両端へ出し、腰板の裏は共裂を張りつけず板がむき出しであった。当初から三角形の付菱はあった。紐を腰板から切り離してつけるようになったのは江戸中期より。今日では薄板のかわりに板目紙を用いている。

 腰板の張り方は
イ.芯を裁ち切り、表腰を張りつけ、下部に紙こよりの玉縁を入れる。
ロ.裏腰布は生半紙をかるくもんで皺をのばした上に張りつけ、裏打ちをする。
ハ.表腰を張り、付菱を折りたたんで張り、後紐をつける。
ニ.後腰幅に腰板を合わせて、表裏の腰板で後布をはさむホ.撚糸で腰立をし、腰板の上部は裏を控えて張り合わせる。